2019年7月16日、自宅玄関先わずか2段の段差でスカーチョの裾を踏んで転び、左手複雑骨折しました。
人生初の大怪我に戸惑い、悩みました。
最初、事の重大さを理解できず、病院で「手術しないで治せませんか?」と質問するほど無知でした。
大きな病院でのボルト固定手術とその後のリハビリのおかげで3ヶ月で日常生活レベルまで回復し、4ヶ月目は完治目指して毎日リハビリに通っています。
複雑骨折の場合、骨がくっつくまでしっかりギプスで固定しておかなければならない分、拘縮も進み、わずか1ヶ月でケガをしていない指まで動かなくなりました。
痛み止めを飲み、体がぐったりして寝込んでいると「どうしてこんなケガをしてしまったのだろう」と余計なことまで考え、暗く落ち込みました。
不注意でケガをしてしまったのだから、諦めてとにかく治すしかありません。
どれくらいで治るのか、見通しが持てると少しは気持ちが楽になると思います。
ケガをしてしまった人の参考になるように、今までの治療の様子をまとめてみます。
複雑骨折した左手
骨折したあと、すぐに手がパンパンに腫れてきました。
入院してボルト固定手術
レントゲンとCTを撮りました。
小指の付け根部分が粉々になり、さらに骨が脱臼して下にずれています。
ボルトを3本入れて、隣の薬指に固定して元の位置に引き上げました。
実は、私は生まれつき薬指の骨が一部短いのですが、そこで小指を支えています。
左肩の付け根に全身麻酔の注射をうち、手術を受けました。家族の付き添いが必要です。私は姉にきてもらいました。
「麻酔が切れたら痛いよー」というのは聞いていましたが、半端じゃなく痛かったです。
痛み止めを飲んでいても全然効きません。熱も出てきて、夜中はずっとアイスノンで冷やしてもらいましたが、眠れませんでした。
こんな状態なのに退院させるのかと思っていましたが、看護婦さんは慣れていて「手術の後はお熱出る方もおられますよ」と平気です。
複雑骨折したところをボルト固定
2泊3日だけの入院で、退院前に確認に来てくれたドクターに写真を撮ってもらいました。
手術で切り開いた所の下に3本、ボルトがむき出しでした。
今、見てもゾッとします。
このボルトを4週間から6週間後に麻酔なしでペンチで引き抜くと聞いてビビりまくりました。
私は再び全身麻酔をして眠っている間に取ってもらうことを懇願したのですが、「また入院が必要になるし、誰もそんなことしていない」と軽く却下されました。
結果的に7週間後、局所麻酔で抜きました。なんとか大丈夫でした。
複雑骨折した左手は、ずっと心臓より上げていなければいけない
左手はサイボーグのように固定され、常に心臓より上げておくように言われました。
寝ている時も下げないようにと言われたので、熟睡できず、肩から背中がパンパンに張ってきて辛かったです。
鍼灸に救われる
それで、以前から通っていたエクラ鍼灸院の島田ひろみさんに自宅まで来ていただき、施術を受けました。
鍼を打ってもらったりお灸をしてもらうことで、痛みが軽減されました。
夜、ぐっすり眠れることが何よりありがたかったです。
患部は安静に、それ以外の部分はメンテナンス必要 自宅にて鍼灸治療【左手複雑骨折 ボルト固定闘病日記】
他にも困ったこと、あれこれ
「ケガをしたのが利き腕でなくて良かったね」と言われ、私も本当に・・と思っていました。実際、右手だったらもっともっと大変でした。
でも、左手でもやっぱり大変です。
左手の押さえがあるから右手が使えるのです。
ゴミ袋の先を結ぶことができませんでした。洋服どころか、タオルをたたむのですらフワフワにしかたためません。
お鍋も片手では持てませんでした。衣服を着たり脱いだりするのにもとんでもなく時間がかかりました。
一番困ったのが、頭を洗えないのとドライヤーをかけられないことでした。
幸い、娘が一緒に住んでいたのでお願いしました。まさか、この歳で娘にお世話になるとは思いも寄らず、なんとも言えない気持ちでした。
また、ギプスをしている間は、一切車の運転をしないと決めていたので、家族や友達に乗せてもらったりタクシーを利用したりしました。
複雑骨折の治療中に驚いたこと
驚いたことが2つあります。
爪が伸びない
なんとケガをした左手は、なかなか爪が伸びませんでした。
ケガをした左手は爪が伸びないって知ってますか?【左手複雑骨折 ボルト固定闘病日記】
ボルト抜いたら、毛が生えてきた
もう一つ驚いたのは、ボルトを抜いた翌日から、いきなり左手に毛が生えてきたことです。
ボルトを抜いた左手に毛が生えてきたぞっ【左手複雑骨折 治療 リハビリ日記】
ボルトを抜いて空洞になったところを元どおりにしようとして、体の中の細胞が活性化されているのかなと思います。
思ったよりうんと辛いリハビリ
ボルトが抜かれ、ギプスも取れたというのに、私の左手は全く動かないままです。
このままでは、拘縮が進み、一生このまま動かなくなると脅され、リハビリを開始しました。
その時は、整形外科医の言うことを「脅し」と思っていたのですが、それは「事実」であることが次第にわかってきました。
リハビリをしてもほとんど改善されません。
レントゲンで見て骨が痩せているということで、「ガツンと痛み止めを飲んでしっかりリハビリをする」ことになりました。
以前の私だったら、「できるだけ痛み止めは飲みたくないですぅ」なんて言っていたところですが、もうそんなこと言っていられません。
3種類の痛み止めと胃腸薬・吐き気止め薬の5粒と1カプセルを飲むことにしました。
これが強くて、起きていられないほどグッタリしてしまいます。
結局、昼だけサボり、朝晩飲むことにしました。
そして、週3回リハビリに通いました。
今まで「痛い」「痛い」と言っていたのをかなり強く曲げ伸ばしされても耐えられるようになり、みるみる成果が上がってきました。
一番効果があるのが先生が直接可動域を広げてくれる運動です。
お湯に10分間つけて柔らかくしてから、先生がほぐしてくれます。
あとは道具を使って自分で左手を動かします。
最初の頃は、コップを動かすのもやっとでした。
手首が起きないので無理やり起こします。
手首の可動域を広げます。
1本ずつ握って、ひっくり返して動かします。
強度の違う洗濯バサミをつまんで移動させます。
最初の頃は黄色と赤までしかつまめず、次に緑、そして青、今は黒まで動かせるようになりました。
スライム(粘土)をニギニギして握力を強めます。
なかなか指先が曲がらない私のために、いろいろ装具を工夫して作ってもらいました。
私も自分でリハビリグッズを買って頑張っています。
これ、右手で持つとなんでもなく潰せるのですが、左手は力が入らないのです。
先日も、朝顔の種を採っていて左手にのせていたつもりが、傾けた途端、シューっと下に落ちてしまい、ショックでした。
左手は日常生活において、そんなに重要視されないけれど、それでも手が普通に動くということはとても大切です。
手のリハビリは5ヶ月が限度でそれ以上やっても効果が上がらないと言われているそうです。
なんとかして、あともう少しの間、一生懸命リハビリして「できるだけ完治」を目指したいです。
さいごに
私のように複雑骨折してしまった方は、整形外科の先生と相談して早めにリハビリを始めることをオススメします。