人生を自由にしてくれる本当のお金の使い方は、誰かのため・何かのために愛を持ってお金を使い、お金を循環させていくことです。
たとえ年収が高くても、貯蓄や老後資金が潤沢にあっても、人間関係が希薄な人は幸せになりにくいのです。
私事ではありますが、私の父は大変な努力家で、幼い頃に祖父と父親を続けて亡くしたため、農家の長男として苦労を重ねてきました。
人に騙されないよう、常に気を張って生きてきて、基本的に他人を信ずることなく、人に頼らず必死で家と家族を守ってきました。
そのため、多くの人を助けてきたにもかかわらず、晩年、うるさがられる存在で、入院中、お見舞いに来てくれる人もほとんどいませんでした。
叱られてばかりだった母や姉も病院へ行くのを嫌がり、結局、私が最後まで見守りました。
寝たきりで言葉を発することも食べ物を口にすることもできない父の弱々しい姿は、私に多くのことを教えてくれました。
スマホに気を取られ、新幹線を乗り過ごした時、瞬間的に「お父さんに怒られる」と肩をすくめてしまったほど父に怯えていた私です。
父には、もう私を叱る力も残っていなかったのに。
母は、あんなに父のことを疎ましく思っていたのに、今となってはたくさん旅行に連れて行ってくれて楽しかったと父の写真に向かって感謝の言葉を言うようになりました。
父も母も姉も私も、一人一人がもっと早く、大切なことに気づいて自らの行動を変えていたら、どれだけ幸せを手にすることができたでしょう。
ただ、私は父を見守っていた2年間で「お金があることが必ずしも幸せではない。健康はお金で手に入れることができない。」と確信しました。
寝返りも打てない状態で一人、病院のベッドで横たわっている父の最後の2年間は、本当に辛かったことでしょう。
『本当のお金の使い方』を私も多くの人に伝えたいです。

過度な節約、過度な貯蓄は、かえって人を貧しくする
人生の楽しみを犠牲にして貯蓄を増やしても、シニア世代になった時、「何をしていいかわからない」「一緒に過ごす家族も友人もいない」「お金の使い方がわからない」ようでは、寂しい人生を送ることになります。
貯蓄があれば、確かに「お金の不安はなくなるかもしれませんが「人生そのものの不安」はなくならないのです。
我慢ばかりしていると、やりたいことへの気持ちを押さえ込む「あきらめ癖」がついてしまいます。
人生100年時代に問われるのは、お金の使い方です。
過度な節約、過度な貯蓄は、かえって人を貧しくします。
「こうなりたい」という自分の理想を叶えるために、そして、「経済的な不安から解放される」ために、「お金の正しい使い方」を身につける必要があるのです。
幸せとは、バランスが整った状態
ギャラップ社の調査・分析結果から、幸福を構成する要素5つがあげられていました。
- 仕事の幸福
- 人間関係の幸福
- 経済的な幸福(お金)
- 身体的な幸福(健康)
- 地域社会の幸福
どれか1つを獲得するのは簡単だけど、5要素すべてを獲得できる人はわずか7%に過ぎないそうです。
余りあるお金を持っていても、5要素がバランスよく整っていなければ、幸せを感じにくいのです。
そのため、幸せなお金持ちは、これら5要素の「バランスを整える」ことにお金を使っているのですね。
「お金を稼ぐ」あるいは「お金を使わない」ことに執着していると不幸せなお金持ちになってしまうのです。
私にとっては、父の「今はお金を使わず、将来のために貯めておけ」という言葉は、お金への執着そのものに思えます。
子供の頃の貧しい体験がよっぽど悔しかったのだと思えてなりません。
お金は「循環」させて増やしていく
お金は、自分だけが貯めるのではなく、「循環」させた方が良いのです。
お金を「循環」させることで
- 自分が成長する
- 人生のバランスが整う
- お金に困らなくなる
- 社会貢献につながる
からです。
お金の「循環」には2つの意味があるようです。
- 社会を支える循環
- エネルギーの循環
お金を貯め込んでいると、社会にお金が回りません。
個人や会社がお金を使い、世の中を回るお金が増えて、景気が上向けば給料も上がり、国の税収も増えて社会保障が充実します。
これは、みんながわかっていることですが、井上さんが言うエネルギーの「循環」の方に注目したいです。
ありとあらゆるものにエネルギーがあり、お金にも良いエネルギーと悪いエネルギーがあります。
良いエネルギーは良い出来事を引き寄せ、悪いエネルギーは悪い出来事を引き寄せる・・・。
自己投資するとスキルアップし、さらにお金が稼げるようになります。
友人との食事にお金を使うのも、親交が深まり、人のつながりが増え、仕事につながり、さらにお金が稼げるようになります。
逆に、人のためにも自分のためにもお金を使わないと、次の進展がなく、自分を変えることができないので、低所得のままなのです。
お金を使うとお金の持つエネルギーが循環します。
お金を正しく使えば、正しい結果が引き寄せられるのです。
お金を使うとき、感謝の気持ちを持って送り出すと良いですね。
必ず大きくなって自分の元に戻ってきてくれるはずです。
体験にお金を使うと幸福度が長続きする
人生の豊かさは、いくらお金を持っているかで決まるものではありません。
何をしてきたか、どんな体験をしてきたか。
お金より体験が大事なのです。
体験を通して感じたこと、学んだことこそ、その人を成長させる最良の資産なのです。
体験にお金を使うと幸福度が長続きします。
90歳の母が、父と一緒に行ったアメリカのグランドキャニオンでセスナ機に乗った話をするのは、何度聞いても楽しいものです。
健康こそ、これからの時代に必要な資産
人生100年時代、健康でいることは、これからの人生をより充実させるための必須条件です。
健康維持につながるお金は、 立派な自己投資ですね。
ひとたび健康を失えば、治療にお金がかかるだけでなく、休養を余儀なくされ、収入も不安定になり、精神的にも落ち込みます。
健康寿命と平均寿命は大きく異なり、男性は約8年、女性は約12年もの「不健康な期間」を過ごす人が多いのです。
とにかく自分の健康寿命を延ばすことが大事です。
医療費・介護費を抑えるためにも、病気になる前の「予防」にお金をかけなければなりません。
さいごに
人を幸福にするのは、富でも名声でも無我夢中で働くことでもなく、良い人間関係に尽きます。
経済的に恵まれていなくても、質の高い人間関係を築けている人は、「健康で幸せ」ですよね。
年収が高くても、貯蓄や老後資金が潤沢にあっても、人間関係が希薄な人は幸せになりにくいのです。
井上さんは、人間関係を左右するのは「愛」のエネルギーだと言います。
「愛」のエネルギーとは、「人の役に立ちたい」「何かをしてあげたい」と想う気持ちです。
人間の幸せは、結局、人間関係で決まるのです。
だから、誰かのため、何かのためにお金を使えば良いのです。
「貯まったら使う」とか「貯まらないから使わない」なんて言っていてはいけないのです。
愛を持って使うから、また入ってくる。
お金ってそういうものなのです。
「愛」なんですよ、「愛」
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