ものを捨てるのが大好きなゆるりまいさんの『ねぇ、これ捨ててみない?』を読みました。
私は、ゆるりまいさんの変態的な捨てっぷりにどハマりし、漫画『わたしのウチには、なんにもない。』全5巻を大人買いして1巻〜5巻まで一気読みしました。
だから、今回も捨てて何もないのかと思っていたら、全然違っていて、ちょっとびっくりしました。
仕事が忙しいグラフィックデザイナーの「こう」と同棲相手の恋人「歩(あゆむ)」が、喧嘩しながら、少しずつアパートの部屋を片づけていく物語です。

こうは片づけと捨てることが苦手で、忙しさを理由に汚家に住んでいます。
恋人の歩の方は、家が汚くても全然平気で、定時で帰れる部署の市役所職員。感情の起伏があまりなく、「何を考えているのか、わからない」タイプ。
夜中まで仕事があり、遅く帰ってくると部屋を片づける元気などないですよね。
それでいて、早く帰って家にいるのに何にもしない、どころか洗面所に歯磨き粉が飛び散っていて、こうから「ちゃんと拭いてよ」と言われるのに結局何もしない歩。
久々に顔見たと思ったら、そんな感じですか?
私もこう同様、カッチーンときてぷんぷんになること間違いなしです。
ところが、歩の方は、「久々に顔見たと思ったら、そんな感じですか」って。
すれ違いが多く、まともに顔を見て話す時間もないくらい、こうの仕事が不規則で忙しいのです。
歯磨き粉が飛び散っている洗面台を掃除するためには、洗面台いっぱいに並んでいるモノたちを片づけなければなりません。
片付けようとすると、収納部分にもモノがいっぱい。
そこには、こうの使っていないコスメもいっぱいあったのでした。
開封済みの化粧品の使用期限は半年から1年と言われているものの、値段の高さを考えると簡単には捨てられません。
「どんなにたくさん持ってても、使える顔は1つだけ」というセリフをつぶやくのも面白いです。
そして、マニキュアは中身はいらない布に染み込ませて、容器は燃えないゴミに分別するのも面倒くさく「買うのは一瞬なのに、捨てるのしんどいから、しばらく余計なもの書いたくないわ・・・」って。
なんで毎日使うものをいちいちしまわなきゃいけないの?
掃除しやすいようにいろいろ片づけたんだよと褒めてほしいこうに向かって、「なんで毎日使うものをいちいちしまわなきゃいけないの?」と「取り出すのが面倒くさい」と言う歩。
このへんになるとお母さんと息子みたいな感じですよね。
ここでも、「は〜〜っ???」って顔したくなりますが、この会話は母と私の間でもありました。
使うモノをすべて収納しようとする私vs使うモノを使いやすい位置に出しておきたい母。
とにかくお互いに妥協しながら、お互いにストレスでしたね。
「別に散らかっていても生きていける」し、「いきなり片づけだされても・・・」と戸惑う歩、こうの変容ぶりについていけない歩の状況もわからなくもない。
なぜなら、こうは会社の人たちにいろいろ教えてもらいながら片づけに目覚めていったけど、歩はなぜこうがいきなり片づけ始めたのかもよくわからないからでした。
なんで私ばっかり片づけなきゃいけないの?
寝ているところを部屋が汚いからと言っていきなり起こされて「なんで私ばっかり片づけなきゃいけないの?」と泣かれて困惑する歩。
確かに歩の言い分も筋が通っている。
「なんだか知らないけど、最近急に1人で片づけ始めて」
「そうかと思えば、イライラして文句言ってくるし」
「俺、一言でも片づけてくれって言った?」
「むしろ、勝手に片づけされて、家の中のものの位置がわからなくなるし、一緒に片づけしたって、俺の意見は一切聞いてくれないよな」
「この家って、俺とこう、2人が住んでる家じゃないの?」
100%こうと同じように、いや、こう以上にぷんぷんになりながら片づけしているであろう私は、こんなこと言われたら、泣くより「もうだめだ、この人とは無理」って決めつけてしまうだろうな。
でも、こうは違う。
むかつきながらも2人の部屋を片づけ続ける。
そして
「絶対に2人のためになると思って片づけてきたけど、それが歩にとってはストレスだったなんて」
「私の独りよがりだった?」
「押し付けすぎてた?」
「強引だった?」
「どうやったら上手くやれてた?」
そんなふうに考えるこうってすごいなぁって思いませんか?
#漫画ですけど(笑)
モヤモヤした時は水回りの掃除をするに限る
喧嘩していたこうと歩が仲直りするきっかけとなったのは、歩が職場の先輩女性から「モヤモヤした時は水回りの掃除をするに限る」と『お風呂掃除』を勧められ、やってみたことです。
掃除も片づけも苦手な歩だけど、お風呂がキレイになった時、なんだか爽快感があって、キレイにしたいこうの気持ちがわかってきたのです。
そして、照れながら、お風呂掃除くらいなら自分でもできるかなと言ったら、こうに「ありがとう」と言われ、仲直り、めでたしめでたし。
その後は、片づけの達人からのアドバイスでクローゼットも片づけていくという展開でした。
そして、トイレや玄関も。
さいごに
ゆるりまいさんの「なんにもない部屋」へたどり着く前には、こういうドタバタした現実があると思います。
たいていは、「自分のモノだけ片づけて家族のモノは触らない」ということになっているけど、アパートでの同棲生活などの場合、相手が全然片づけないと一緒に暮らしていけませんよね。
そこを諦めずに最終的に一緒に目指す位置にたどり着くというのがすごいと思うのです。
実際、ゆるりまいさんは家族を巻き込んで「なんにもない生活」を送っておられるようですし。
家族や同居する相手が片づけられないタイプの人、あるいは自分の方が片づけられないタイプの人、読んでいて参考にできる部分がたくさんあるんじゃないかなと思います。
そして、私は正直に言うと「ひとり暮らしって楽やわぁ」と思っちゃいました〜。
ゆるりまいさんの『わたしのうちには、なんにもない。」もすごく面白かったですよ。
わたしのウチには、なんにもない。byゆるりまい 1巻〜5巻まで一気読み 変態的な捨て方が実に面白い
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