『ボクはやっと認知症のことがわかった』by長谷川和夫 自らも認知症になった専門医からの遺言

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この本は認知症の専門医である長谷川さんが、認知症になって何を思い、どう感じているか、当事者となってわかったことを伝えてくれた本です。

長谷川式スケール

認知機能検査で使われている「 長谷川式簡易知能評価スケール」(長谷川式スケール)を開発したのが、長谷川さんです。

「 今日は何年の何月何日ですか」「100から7を順番に引いてください」などの検査です。

以前、母を銀行へ連れて行って、大きなお金をおろす時、銀行の窓口の人が母に質問していました。

かなり一般的に使われている診断用検査ですよね。

そんな認知症研究の第一人者が、認知症になってしまうとは・・・。

「呆け」「痴呆」から「認知症」へ

認知症の人は、長い間、「呆け」や「痴呆」と呼ばれてきました。

私たちが認知症の人に対して、「何もわからない人」と思い込んだ背景として、1972年に出された有吉佐和子さんの『恍惚の人』という小説の影響も大きいと思います。

私自身も細かい内容までは覚えていませんが、とてもショッキングだった記憶があります。

徘徊しないよう、家の中に閉じ込めたり、暴れる人は精神科や老人専門病院のベッドに縛り付けられたりしていたようです。

長谷川さんは、「呆け」や「痴呆」ではなく、「認知症」という呼び方を広めました。

「認知症」は、加齢により、認知に障害が出てきて、普通の暮らしができなくなっていく状態です。

認知症は、「固定されたものではない」

長谷川さんの体験から、認知症は、「連続している」中で起きているということです。

認知症になったからと言って、突然、人が変わるわけではないのです。

昨日まで生きてきた続きの自分がいる。

普通の時との連続性があるのです。

長谷川さんの場合は、朝起きた時が一番調子良く、その状態が午後1時ごろまで続くそうです。

午後1時を過ぎたあたりから、自分がどこにいるのか、何をしているのか、わからなくなってくる。

だんだん疲れてきて、負荷がかかってくるからのようです。

そんな時、とんでもないことが起きる。

でも、夕方から夜にかけては、疲れているけれども、夕食→入浴→睡眠というようにやることが決まっているからなんとかこなせる。

そして、眠って、翌朝になると、また元通り、頭がスッキリしているんだそうです。

こういうことって、認知症の当事者じゃないとわからないですよね。

でも、ずっとわからないわけじゃないんだと知るだけでホッとしますね。

ただし、長谷川さんの場合は、「アルツハイマー型」ではなく、別のタイプの「嗜銀顆粒性(しぎんかりゅうせい)認知症」で高齢期になってから現れやすい進行が緩やかなタイプだからかもしれません。

置いてきぼりにしないで

私たちは、認知症の人だけでなく、耳が遠い高齢者に対しても、どうせわからないからと思って、失礼な態度をとることがあります。

私が母を連れて病院で診察するときも、ドクターが母に言わず、私に話しかけることがよくあります。

私が先に答えてしまうのも悪いのですが。

長谷川さんは、「話していることは認知症の人にも聞こえているし、、悪口を言われたり、馬鹿にされたりした時の嫌な思いや感情は残る」と言っています。

だから、話をする時には注意を払ってほしいし、認知症の人が何も言わないのは必ずしもわかっていないからではないんだよと伝えてくれます。

存在を無視されたり、軽く扱われたりすると悲しく、切ない

これは、認知症であってもなくても、大人でも子どもでもみんな同じですよね。

その当たり前のことを認知症の人もちゃんと感じていることを忘れないでって。

そして、何かを決めるときに、当事者抜きに勝手に物事を決めないでほしい。置いてきぼりにしないでほしいって。

我が家でも、みんなで食事していたとき、母が「あんたらのしゃべっている声が何も聞こえん」とよく言っていました。

確かに私も娘たちも配慮が足りなかったと思います。

ちゃんと母の方を向いて、しっかりわかりやすく話しかければ、母は十分会話に参加できるのですから。

認知症の人も同じですよね。

早口でよくわからないことを言われたら、理解しづらいです。

これは、認知症になってしまう前の状態の時に特に気をつけたら良いことでしょうね。

認知症の人への話し方

認知症の当事者になった長谷川さんが、私たちに対し、認知症の人と接する時に心に留めておいてほしいことが書いてありました。

まず、相手のいうことをよく聴いてほしい。

「こうしましょうね」「こうしたらいかがですか」というように、自分からどんどん話を進めてしまう人がいるけど、それは困るというのです。

認知症の人は戸惑い、混乱して、自分の思っていたことが言えなくなってしまうからなのです。

「こうしましょう」と言われると、他にしたいことがあっても、それ以上何も考えられなくなるというのです。

それで

「今日は何をなさりたいですか」という聞き方をしてほしい。

できれば、

「今日は何をなさりたくないですか」といった聞き方もしてほしいとのことです。

答えるまで、時間がかかるだろうけれど、きちんと「待つ」そしてじっくり向き合って「聴く」。

そうしてもらえたら、認知症の人は安心するんだと。

認知症である相手を「何もわからない人」と決めつけず、尊重して、ちゃんと向き合う。

これは、かなりの覚悟が必要ですね。

でも、自分もまた認知症になる可能性があるわけですから、多くの人がこのことを知っておく必要があると思います。

さいごに

書き出したら、キリがないです。

認知症医療とケアに多大な功績を残した「認知症界のレジェンド」と言われる長谷川さんが、2021年11月に亡くなられました。

自分が認知症になったことをカミングアウトし、認知症の人が何を考え、何を望んでいるかを身をもって伝えてくれた功績は計り知れません。

この本は、2019年12月に出版されたものなので、その後の進行の様子はわかりませんが、少なくともこの本を書いている時の長谷川さんは認知症とは思われないほどしっかりされているように見えます。

10歳年下の奥さんや娘さんたちの支えあってのことだと思います。

65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、2012年時点で約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。 そして、その数が2025年には730万人へ増加し、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。

厚生労働省

2025年はもうすぐです。

そして、65歳以上の5人に1人が認知症、これは大変な事態です。

自分や親が認知症になるとかならないレベルではなく、自分たちのまわりに認知症の人が大勢いることになるのです。

支えあう社会を作っていかなければならないし、もしも私が認知症になったら、助けてねとお願いしておきたいです。

私は今回、この『ボクはやっと認知症のことがわかった』をAmazon Kindle Unlimited 読み放題で読みました。

月980円がとっても安くてお得です。

それなのに、以前はその良さに気がつかず、なんでAmazonから毎月980円引き落としされているんだ?と混乱してしまいました。

Amazon 980円 引き落としの謎 「無料体験後の解約」を忘れないように気をつけよう【お金は大事】

その後、再度、契約し直して今に至っています。

Amazon Kindle Unlimited読み放題には良い本がたくさんありますよ。

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この記事を書いた人

さわこ

スタジオSeriオーナーの目標は、「健康」と「ゆるいミニマリスト」

みんなが、心と身体をリフレッシュして、笑顔で元気になったらいいなと思って、いつもスタジオにお花を飾り、お掃除してます。「汚部屋脱出」のために、整理収納アドバイザー1級、生前整理アドバイザー1級、清掃マイスター1級を取得しました。いらないモノをすべて断捨離して、スッキリ暮らしたいです。ずっと頑張りすぎてきたから、これからの第2の人生は、楽しいことだけやっていきます!