『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』byブレイディみかこ 息子さんの成長ぶりが楽しみ

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福岡県出身イギリス在住ライター ブレイディみかこさんの『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の続編が出ました。

すごく面白かった1作目以上をさらに超えるレベルで、ぐいぐい引き込まれて一気に読みました。

1作目から読んだ方が内容がよくわかると思います。

1作目については、こちらから

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』byブレイディみかこ 差別や格差のあるイギリスの現実に驚くばかり

2作目では、息子さんの成長ぶりが素晴らしく、その言葉一つ一つから学ぶことがいっぱいです。

そして、イギリスという国の国民が今、どれだけ苦しい経済状態にあるかもひしひしと伝わってきます。

それから、子どもたちもさまざまな問題について、深く考え、意見を持っていること、学校教育の中で育てられていることがわかります。

日本の国民がいかに呑気で、国がなんとかしてくれると頼っているか、残酷なほど、日本人って甘いんだな・・・って思えてきます。

私がそう思う背景を説明しますね。

労働者階級の哀れ

試験の成績が悪かった息子さんがお父さんにひどく怒られました。

その時のお父さんの言葉に、息子さんはぼろぼろ涙を流したのです。

「 俺だって人のことは言えない。成績が悪かったから俺が今どうなっているか見てみろ。ガタが来ている体に鞭打って一晩中ダンプを運転して、雀の涙みたいな賃金しかもらえない。 お前には、俺みたいになってほしくないから言っているんだよ。頼むから、俺みたいにはなるな」

実は、みかこさんも40年前、お父さんに同じことを言われたんだけど、みかこさんの場合は、「あんたのようになろうが、なるまいが、私の自由だろ、ボケ。」と言い放つ強い女の子だったけど、息子さんは違うのです。

「『 俺のようになるな』ってそういうことを子どもに言わなくちゃいけない父ちゃんの気持ちを考えると、なんか涙が出てきちゃって・・・」

私もどちらかと言えば、みかこさんみたいに、「ふん!」と聞き流す方だけど、息子さんは繊細なんでしょうね。

そして、今のイギリスの労働者階級の現状がとても厳しい環境にあることを表しているように思えます。

一部の豊かな階級の人たちとその他大勢の貧しい暮らしをしている階級の人たちが歴然と分かれて存在しているのです。

日本のように、「みんな同じくらい」なんて、子どもも思っていないんですよ。

ピリオド・ポヴァティ(生理貧困)

日本でも今年6月に内閣府男女共同参画局推進課が策定した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」で、「生理の貧困」への支援に関する項目が盛り込まれ、取組が進められるようになりました。

貧困のため、生理用品が買えない問題への対応が始まったばかりです。

イギリスでは、すでに生理用品メーカーと慈善団体が協賛で、学校単位で生理用品の寄付がなされているようです。

息子さんの学校でも寄付された生理用品を置いたら、あっという間になくなり、補充してもすぐなくなって在庫を数日で使い果たしたとのこと。

女子生徒が生理用品を変えないために、学校を病欠したり、制服を汚していじめられたりする問題は、「ピリオド・ポヴァティ(生理貧困)」と呼ばれて社会問題になっているけど、息子さんの学校でも想像以上に困っている女子がいるようだというのが、みかこさんの見解です。

そういう問題に熱心に取り組む教員もいて、「生理用品を常時配布できるように慈善団体や保護者と協力しながらシステムを作っていきたい」と保護者に呼びかけているそうです。

図書館の閉鎖

イギリスの緊縮財政のことを一般人たちは、「政府はドケチだ」と感じているようです。

「ゆりかごから墓場までの福祉国家」と呼ばれていたのは、はるか昔のことになっているみたいですね。

公立図書館すら閉鎖されてしまっています。

ずっと放置され、雑草が生い茂っていた元図書館をホームレスの人々のシェルターにする計画が上がりました。

それに対し、息子さんの学校では、「シェルターのことで親が怒っている」と大きな話題になっていたのです。

みかこさんは、政府の行き過ぎた緊縮財政に怒っていたのですが、保護者のほとんどは近所にホームレス用のシェルターができること、特に隣に学校やパブがある問題に危惧しているとのことです。

どこの国でも、自分の地域に不快な建物ができると「家の値段が下がるから困る」と言い出す人も出てくるものです。

住民説明会で主催者側の人が、あまりにきつい言葉の応酬に耐えかねて、泣きながら帰っていったということで、なかなか大変な事態です。

リーダーに必要な資質は何か

学年委員の面接の質問「リーダーに必要な資質は何か」に対して、息子さんの回答は「LEAD BY EXAMPLE」=「言葉だけで指示するのではなく、自分がまずやってみせることが大事」さらに「導く(LEAD)とは、前から引っ張るだけでなく、時には一番後ろに立ち、後部が離れてしまわないように押し上げる(PUSH UP)こと」と。

みかこさんが大事にしている考え方を息子さんもちゃんと引き継いでいるようです。

社会を信じること

息子さんは、日本の避難所でホームレスの人が追い出された問題をスピーチのテーマに取り上げることにしました。

直接、元図書館をホームレスシェルターにする問題を取り上げるのは、家族が反対運動に参加している子どももいるから言いづらいということで、日本のことを話題にして、広く考えてもらおうといたのです。

避難所の職員が、避難所にいるみんながホームレスを受け入れたくないはずだと考えてしまって、追い返したんじゃないかな?

避難所という場所は、すべての人の命を守る場所なのだと信じて行動することができて、みんなもちゃんとそうわかっていると信じることができれば、みんなの命を守ることができるはず。

「社会を信じる」・・・難しいですね。

ホームレスの人を受け入れること自体が感情的に難しい私には、避難所に助けを求めに来たホームレスの人を追い返す職員の人に対して、その場でどう思うのか・・・考えるのも難しいテーマです。

できれば考えたくない・・・。

でも、息子さんは、そういう問題に対しても、(実際、元図書館がホームレスシェルターになることに対して住民の反対運動が起きている中で)すべての人が幸せになるように、と一生懸命考えようとしているのです。

臭いものに蓋をして、自分の家族や友達の幸せだけ考えてしまいがちな私は、もっとしっかり現実を見てほしいと教えられているような気持ちになりました。

さいごに

イギリスでは、総選挙が行われる時、学校でも「スクール総選挙」が行われるそうです。

ちゃんと授業で各政党のマニフェストを読んで話し合っているというのです。

学校で選挙や各政党の政策の話を真剣に行なっているのが当たり前というのがすごいですよね。

というか、世界ではそれが当たり前で、子どもは教科書の勉強だけしていれば良いんだという日本が異常なのかもしれません。

日本からイギリスへ移り、イギリスで現地の人と結婚して、イギリスで子どもを育てているみかこさんは、自分が感じたことをそのまま伝えてくれます。

今回は、特に息子さんの学校での出来事が中心だったので、よりリアルで興味深かったです。

年末の12月29日、慌ただしい時でしたが、新幹線の切符を買うため列に並んでいる間に一気に読みました。

みなさんは、お正月にでもいかがですか?

2冊まとめてどうぞ。

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この記事を書いた人

さわこ

スタジオSeriオーナーの目標は、「健康」と「ゆるいミニマリスト」

みんなが、心と身体をリフレッシュして、笑顔で元気になったらいいなと思って、いつもスタジオにお花を飾り、お掃除してます。「汚部屋脱出」のために、整理収納アドバイザー1級、生前整理アドバイザー1級、清掃マイスター1級を取得しました。いらないモノをすべて断捨離して、スッキリ暮らしたいです。ずっと頑張りすぎてきたから、これからの第2の人生は、楽しいことだけやっていきます!