ヒトはなぜ、後悔するとわかっているのに先延ばしをしてしまうのか、を学ぶにあたり、先延ばしの要因と先延ばしする人の3タイプについて、前回の記事にまとめました。
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』byピアーズ・スティール 気持ちを整えてもやる気が出ないあなたが知っておく3つの理由 (書評 Part.1)
こちらを先に読んでいただけますよう、お願いします。
そのつづきになります。
3回シリーズの2回目の今回は、なぜ先延ばしをしてはいけないのか、について書きます。
私たちは先延ばしすることで多くのものを失います。
個人のキャリアや財産、健康を失うことも重大な問題ですが、それ以上に国家や地球レベルで考えてみると実に明らかです。

環境問題を先延ばししてはいけない
今日、世界のすべての国の政府が直面している最も切迫した問題は、環境破壊と資源枯渇です。
このことが書かれている部分を読んだ時、私は、先延ばしは許されないと強く思いました。
そして、コロナはそのことを私たちに警告してくれたようにすら思えます。
今まで、どの国も人間が環境を破壊して、地球が大変な問題を抱えていることを知っているのに、どうすることもできずに、まさに先延ばししてきました。
経済優先の競争社会だった。
でも、現実に温暖化は確実に進んでいます。
2050年までに地球の平均気温が3〜4度上昇すると予測されているのを知っている人も多いはず。
1992年段階で、科学者1700人が「世界の科学者たちから人類への警告」という声明を出して訴えています。
地球が取り返しのつかない破壊を被ることが避けられない、と。
避けるためにどうすべきか、知っているのに、その知識を行動に移すことを先延ばししてきたのです。
どこの政府も、本当に重要な問題を後回しにして、目先の問題ばかり優先させてきました。
コロナで世界中がストップした時、空気が綺麗になり、海が綺麗になったと聞いています。
そのニュースを知った時、誰も止められなかったものをコロナが止めてくれたと感じました。
これからは、地球を守りながら、暮らしていくことが何より重要です。
2050年までに90億人を突破すると言われている世界人口をまかなう食料は大丈夫か。
2050年までに世界の国の75%が深刻な水不足に悩まされるとみられているようです。
海洋の40%は、水質が汚染されていたり、漁業資源の乱獲により、天然の魚介類が絶滅の危機に陥っています。
食料が足りなくなると、何十億もの人が飢餓に苦しむことになるんだそうです。
2050年と言えば、今から30年後、あっと言う間に来るじゃないですか!
私は、もう90歳のおばあさんだけど、娘たちやまだカケラにもなっていない孫たちが辛い思いをするようなことを私たちはしてはいけないと思うのです。
「30年後の環境問題より、今日の食事が大事」って言う人もいるだろうけど、そんな人にも「いやいや、本当に大切なことは最優先されないといけない。少しぐらい我慢して、将来のことをちゃんと考えなきゃいけない。」と言う勇気を持ちたいです。
先延ばしで個人が失うもの、悔やむもの
環境問題より、やっぱり自分のことの方が先延ばしの弊害をリアルに考えやすいかもしれませんね。
先延ばしすると、キャリアも財産も健康も危ないですよ!
貯金とキャリア
先延ばし人間は将来に備えてお金を貯めようと思っても、その計画を実行に移す割合はかなり低いようです。
アリとキリギリスのキリギリスですね。
福利の恩恵を受けたり、投資の配当を手にするチャンスを失います。
人生の遅い段階になって、貯蓄を始めようと思っても無理でしょうね。
クレジットカードの返済が自転車操業状態に陥り、未払いの残高を毎月積み残し続けるようでは、貯蓄どころの話じゃありません。
アメリカのクレジットカード会社は、利用者がなんらかの支払い(電話料金でも電気料金でも)を滞らせると、一方的に金利を引き上げられるようになっているそうです。
先延ばし人間はこの落とし穴にはまり、最も高いところでは年29%もの利息を払わされるとか。
恐ろしい泥沼ですね。
健康的な生活習慣
大腸癌の予防と早期発見のために、大腸内視鏡検査が重要だということは、私も知っています。皆さんも知っておられることでしょう。
でも、しんどい検査なので、先延ばしにしますよね・・・。私はします。
でも、恐怖心や不快感や羞恥心のせいで、大腸内視鏡検査を先延ばしすることはよくないのです・・・。(でも、私は受けない・・・。)
他のもう少し楽なことであっても、なかなかハードルが高い。
デンタルフロスで歯の掃除をすれば良いことはわかっているけど、それも続かない。
喫煙や過剰な飲酒などもやめられない人、周りにいっぱいいます。
「好きなことをして好きなものを食べて死んでも別にいいんだ」なんて豪語する人もいますが、その前に病気になって、自分も家族も、肉体的にも精神的にも経済的にも、辛い思いをしないといけないということは予測できていないと思います。
さいごに
著者は、お兄さんを病気で失っています。
亡くなる時になってはじめて、もっとお兄さんと一緒に過ごせたらよかったと後悔していると書いてありました。
お兄さんが出演する舞台を観にいくのを先延ばししなければ良かったと。
お兄さんの存在が当たり前のように思っていた時は、大切にできていなかったのですね。
そんなものですよね。
失ってはじめて、当たり前がなんてありがたいことだったのか、わかるのです。
私たちは、コロナによって、辛いけど、貴重な体験をしています。
大切なものは、決して失ってはいけないのです。
大切にしていても、いつか終わりが来るのだから、それまで本当に大切にする努力を続けないといけないのだと改めて思います。
今回は、なぜ先延ばしをしてはいけないのかをまとめました。
つづきはこちら。
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』byピアーズ・スティール “成功の螺旋階段”を知れば、あなたの”先延ばし”は克服できる(書評 Part.3)
前回の記事はこちら。
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』byピアーズ・スティール 気持ちを整えてもやる気が出ないあなたが知っておく3つの理由 (書評 Part.1)
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