辻仁成さんの『十年後の恋』を読みました。
現在、パリでミポリンとの間に生まれた男の子と一緒に暮らしている辻仁成さんのブログを時々読んでいたので、最初、『十年後の恋』って自分のことなのかと勘違いしてしまいました。
ロックダウンされたパリの様子などを知っているとこの小説がとてもリアルに感じられます。

内容について書くことはできませんが、離婚して十年経って、恋をした女性の心の葛藤が痛いくらい伝わってきます。
母親に協力してもらいながら、2人の子どもを育てて仕事を続けているマリエ。
さすが、パリで暮らすマリエの母は、日本人なのにマリエが恋愛をすることを心から応援してくれています。
親が離婚しても、子どもが父親と定期的に会うのを、子ども自身も父親の方も当たり前と考える風潮も、自由な国民性を象徴しています。
だから父親に新しいパートナーができていることや、母親が恋をしていることも子どもにもオープンに話すのです。
離婚したシングルマザーのマリコが新しい恋人を家族に紹介する場面でも、みんながちゃんとそのことを受け入れようとしていること自体が、(変な話ですが)私とは全然違うと思います。
でも、だからこそ、恋愛小説として素敵だなと思うし、楽しんで読めました。
そして、恋愛小説というものは、必ず、途中でグダグダになっていくもので、その展開もまたしんど〜くなるくらい引き込まれました。
ホント、こんな思いをするくらいなら、「十年後の恋」なんてしないほうがいいなとマジで思ってしまうくらい(笑)
そうこうしているうちに、コロナに感染して死の一歩手前の場面もハラハラしどおし。
そして、最後の最後は、「あれ〜、こうなっちゃうんだ・・・」という終わり方で、なんだかちょっと力が抜けちゃいました。
どうせハッピーエンドにならないのなら、このまま最悪の終わり方で終わってしまえと思っていたのに(笑)
久しぶりに恋愛小説を読んで、おもしろかったです。
そして、全然内容を説明できないのに、とりあえずせっかく読んだから何か書こうと無理して書いているのもまたおもしろいものだと思いました。
辻仁成さんのファンの方や現在のパリの雰囲気を味わいたい方におすすめです。
ブログランキングに参加しています。
下のお花を「ぽちっ」と押して、応援していただけると嬉しいです。

