パレオな男 鈴木 祐さんの『最高の体調』を読みました。
100の科学的メソッドと40の体験的スキルから編み出したというこの本は、体調不良からメンタルの改善にまで及ぶ壮大な内容です。
体調不良を単なる身体的症状ととらえるのでなく、その根底にある怒りや不満、不安という精神的症状と結びつけて、解決します。
パレオさんは、進化論から現代の文明病を解説しています。
今、コロナ自粛で今まで体験したことがないようなストレスを社会全体が抱え込んでいます。
その中で、経済的な打撃により精神的にうつ状態になる人も多いのではないかと言われています。
よく理解できないまま休校が続き、不安や不信感がトラウマになってしまう子どもたちだってどんどん出てくるでしょう。
体調を整えて健康を保つというのは、とても重要なことです。
私たちがどうやったら、メンタルをやられないでいられるか、私がこの本から学んだことを紹介します。
対処療法では解決しない
日々の不調や不満には様々なレベルがあります。
私のように朝起きられないという悩みの人、仕事の集中力が続かない人、怒りや不安がコントロールできず人生がうまくいかない人、常に体調不良の人、毎日の暮らしに張り合いがなく空虚な気持ちの人、症状や問題の深刻さに個人差があります。
通常、これらの問題は別々に取り扱われます。
やる気がない人には「自己啓発本」、仕事の効率には「ビジネス書」、感情コントロールには「心理学書」、体の不調には「家庭の医学」など。
ただし、それぞれの問題はあたかも別々の現象であるかのように見えるので、その場しのぎの対処療法を行いがちです。
でも、その症状の奥にある本当の原因を突き止めない限り、今後も同じ問題は起き続けます。
うつ病、肥満、散漫な集中力、モチベーションの低下、不眠、弱い意志力など、一見バラバラのように見える問題も、根っこまで降りてみれば実は同じものだったのです。
それが「文明病」という考え方なのです。
「文明病」とは
1955年ワシントン州の牧師、ボブ・ムーアヘッド氏の「現代の矛盾」というエッセイの抜粋が紹介されていました。
私たち人間は、長大なビルを作りあげたが、一方で気は短くなった。
道路を広くしたわりに、視野は狭くなった。
お金を使っても身につくものはなく、ものを買っても楽しみは少ない。
家は大きくなったが、家族との関わりは小さい。
便利になったのに、時間はない。
専門家が増えても、それ以上に問題も増えた。
薬は増えたのに、健康な人は減った。
私たちは、酒を飲み過ぎ、タバコを吸いすぎ、時間をムダに過ごし、少ししか笑わず、毎日を急ぎすぎ、怒りすぎ、夜更けまで起きすぎ、目覚めたらすでに疲れている。
あ-、その通りだと頷くしかありませんよね。
コロナ自粛で、初めて社会全体の時間がストップして、結果的に、私たちはようやく立ち止まることができました。
文明が発達したにも関わらず、幸福からほど遠い場所にいたのです。
そして、人生がうまくいっていかないことに対して、自分を責めてしまいがちなのです。
でも、パレオさんは、「悪いのは自分だ」と考えるのは誤りで、現代人特有の「文明病」が原因と結論づけます。
「文明病」とは、近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状です。
もっとも典型的なのは「肥満」です。
さらに「集中力の低下」「うつ病」です。
炎症と不安
この「文明病」を引き起こす不調の原因は、「炎症」と「不安」です。
炎症
長寿な人の共通点は、体の「炎症レベル」が低いことです。
炎症自体は、体が何らかのダメージを受けた時に、有害な刺激を取り除こうと免疫システムが起動し、ケガを修復すべく働き出す人体に備わった防御システムです。
切り傷程度なら問題ありませんが、病気やアレルギーなど炎症が長引くと、血管や細胞組織までダメージがおよび、全身の機能が低下します。
肥満で「内臓脂肪」が増えると、炎症性物質で傷ついた血管や細胞が動脈硬化や脳梗塞の引き金になります。
このタイプの炎症には、はっきりとした自覚症状がなく、「何だか調子悪い」「よく寝たはずなのに疲れている」という謎の体調不良です。
そのため、多くの人は不調の原因がわからないまま時間を過ごしてしまい、炎症が悪化してしまうのです。
私も実は隠れ肥満です。
朝起きられない、夜中になんども目が覚めてしまうなども、原因は深いのかもしれません。
1989年の研究で、パプアニューギニアで漁獲とイモ類栽培で暮らすキタヴァ族は、脳卒中や動脈硬化にかかるケースはなく、糖尿病発生率は1%(日本は15%)だそうです。
80代の高齢者が認知症にかかることもなく、ガンの割合もほぼ0に近い状態だったとか。
狩猟採集民には、慢性炎症に由来する病気がほぼ存在しないと報告されたそうです。
私たちの脳と体は、「低カロリー」にはうまく対応できるけど、「高カロリー」を処理するようには設計されていないのです。
不安
日本では不安障害の治療を受けている患者さんが2011年段階で157万人、この数字はその5年前1996年のデータの2倍です。
不安障害の発症率は、アメリカ・オーストラリアで8%前後に対して、ナイジェリアのような発展途上国では0.1%だそうです。
不安は、記憶力、判断力を奪い、死期を早めるとまで言われます。
日常の不安レベルが高い人は、心疾患や脳卒中のリスクが29%も上昇する研究結果もあります。
ぼんやりとした不安は、うつ病から自殺へと進む確率が高い「死に至る病」でもあります。
私自身、父が突然倒れて、相続税対策でアパートを建てたり、今まで払ったことがないような金額の税金を払ったりした時、頭の中が処理できず、不安がいっぱいでした。
恥ずかしい話ですが、何をどこに置いたかだけでなく、さっき食べたものは何だったか、まで忘れてしまう状態になり、ますます不安でいっぱいになったことを思い出しました。
不安が不安を呼び込んでいってしまうのです。
パラオさんによると、不安の原因の共通項は、「未来の遠さ」だそうです。
未来への見通しが持てれば、不安は軽減されるのでしょう。
コロナ自粛の「出口」が見えることが不安の解消に繋がるといいなと切に思います。
現代人の腸は、バリアがどんどん破れている
「腸内細菌」は、実はとっても大切なものなんですよね。
「腸内細菌」が、食物繊維から酪酸という脂肪酸を生産し、有害物質が体内に入るのを防ぐという免疫システムを作ってくれているのです。
ところが、抗生物質のような医薬品が腸内の善玉菌を殺し、衛生設備が有用な菌との接触を妨げてしまいます。
今回、コロナウィルス感染を防ぐために、私たちは手洗いや消毒を繰り返しています。
今はやむを得ない状況ですが、普通の石鹸で十分なところを抗菌作用がある薬用ソープで洗うと有益なバクテリアまで殺してしまうそうです。
自然界にある良い菌の存在まで否定しては、免疫力が低下します。
腸内細菌を減らさないようにするには、食物繊維をたくさん摂取することが大切です。
厚労省は、1日の食物繊維の摂取量を20〜27gと定めているのに、今の日本人は13〜17g程度しか摂れていないのが現状だそうです。
狩猟採集民の人たちは、1日42.5gも食物繊維を摂っているらしいですよ。
腸内細菌を手っ取り早く増やすのに効果が高いのは、発酵食品です。
納豆、キムチ、ヨーグルトなんでもいいそうですが、同じものばかりを食べると、腸内細菌の多様性が限られてしまうので、出来るだけ幅広いジャンルの発酵食品を取り入れると良いそうです。
さいごに
まだまだ書かなければならないことがいっぱいあるのですが、私の能力ではもう限界です。
ぜひ、一読する価値あります。
こんな良い本を私は、Amazon Kindle unlimted読み放題で読みました。
月額980円ですが、まだ1ヶ月の無料期間なので、無料で読んで申し訳ないくらいです。
とってもオススメの本なので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
パレオさんの本は、こちらもすはらしい本でした。
→超ストレス解消法by鈴木 祐 最先端の科学的テクニック100から自分にあうものを見つけよう
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