創業が1566年、なんと450年も続く「布団の西川」の副社長 西川ユカコさんの『最強の睡眠』を読みました。
1566年なんて、室町時代ですよね。
日本人の睡眠を支えてきた天下の西川です。
ユカコさんはその老舗寝具メーカー創業家に生まれたのですが、次女だったので後継者にはならず、最初は全然違うお仕事についていました。
出版社の雑誌編集者として、睡眠不足極まりない生活を送っていたそうです。
お仕事柄、そうでしょうね。
ところが、10年後、訳あって西川で働くことになったのですが、そこでは全くの初心者なのに創業者の娘ということで、仕事がうまくいかずストレスを抱え、病気になってしまいました。
そこから、自分の不調を治したい一心で睡眠に関する研究書を片っ端から検証していったのです。
さまざまな快眠法を実践してみて、効果があることとないことがわかったということで、今回、効果があることだけを発表するというのが本書です。
私にとって、これは重要と思うこと3つ紹介します。
「どこでも眠れる人」は危険
「睡眠負債」は、脳や健康に悪いということは誰もが知るところですよね。
でも、睡眠負債を重症化させている人ほど、思考が麻痺していてそれに気づかないそうです。
「めちゃくちゃ寝つきがいい」という人も要注意だそうです。
本来、「眠いな」と感じてベッドに入っても、健康な成人だったら寝付くまでに10〜20分かかるのが普通なんだとか。
私は、3分もかからずに寝付いてしまいます。
あっという間に寝付いてしまうということは、それだけ体が睡眠を欲していて、半ば「気絶状態」で眠りに落ちているということ。
いつでもどこでも眠れるのは健康な証拠なんて、勘違いしていました。
睡眠が不足すると前頭葉に大きな影響が出ます。
前頭葉の働きが鈍れば、普段から節約に励んでいる人がネットサーフィンの末、必要でないものを買ってしまったり、人を見抜く目が甘くなって騙されたり、イライラしてパートナーと喧嘩してしまったり、仕事のミスだけでなくプライベートでも散々なことを起こしてしまいます。
そんな症状が出ている時は、睡眠が不足していると認めなければならないと思いました。
逆に言えば、睡眠が足りていればそういうミスは防ぐことができたのですね。
35歳を過ぎると睡眠の質が低下する
メラトニンという脳と体を休めるためのホルモンがたくさん分泌されると深くて質の良い眠りが得られるそうです。
でも、年齢を重ねると、そのメラトニンが不足し、眠りにくくなります。
さらに、35歳を起点に深い睡眠が減り、逆に中途覚醒する時間が増えるようです。
実は、私は教師の仕事をしている時はいつも爆睡して朝までぐっすり眠っていたのですが、退職してからは夜中になんども目が覚めてしまいます。
そのためたくさん寝ているのに、なかなか朝スッキリ起きれないのです。
35歳を過ぎると、睡眠時間を確保すると同時に、メラトニンを多く分泌できるような工夫が必要なんだそうです。
メラトニンは、明るい光で分泌が抑制されます。
朝起きて日差しを浴びると分泌がストップして、その後14〜16時間して分泌が開始されるという仕組みのようです。
朝6時に起きてすぐ朝の日差しを浴びれば、夜20〜22時に眠くなる計算です。
朝目が覚めてもダラダラ布団の中にいると、それは寝ているのと同じことになり、どんどん体内時計がズレていきます。
だから、仕事をしていた時は、嫌でも朝早く起きていたのに、今はのんびり布団に入ったままいるから、メラトニンも少ないのかもしれません。
そんな私のために、メラトニンを増やす方法があります。
日中にセロトニンを分泌させると夕方メラトニンに姿を変えるんだそうです。
セロトニンを分泌させるには、日光浴、適度な運動、人やペットとのふれあいが良いようです。
セロトニンは睡眠を改善してくれるだけでなく、「幸せホルモン」と呼ばれるくらいに私たちを前向きな気分にしてくれるものなので、やっぱりしっかり朝散歩をしようと思います。
ちなみにセロトニンはストレスで減ってしまうことと、セロトニンが分泌される前提として、食事でトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物を摂っておくことが必要ということも書かれていました。
夜の睡眠の質はその日の朝に決まっている
その日の晩、質の良い睡眠を得られるかどうかは、その日の朝の段階でもう決まっているということがわかりました。
だから、目が覚めたらすぐに起き上がり、カーテンを開けて太陽の日差しを浴びることが大事なのです。
できれば、窓を開けるともっと良いようです。
太陽の光というのはとても強く、曇りの日や雨の日でも1万ルクス程度もあるそうです。
一般的な家庭の照明は200〜500ルクスだそうです。
体内時計の調整に必要な朝の光は、2500ルクス程度なので、やっぱり室内の照明でなく、太陽の日差しを浴びることが大事なんですね。
そして夜は、電球色の100ルクスや昼光色の40ルクスなど、暗めにするのが良いということなので、家の照明の照度を調整してみようと思います。
さいごに
疲れを翌日に持ち越さないためには、夜の照明を暗くすることに加え、夕食を就寝の2時間前までに終わらせることが必要ということです。
また、入浴も38〜40℃のお湯に10〜15分浸かることと就寝時刻より1時間前には済ませておかないといけないということで、夜は忙しくなりそうです(笑)
睡眠が大事なのはわかっていながら、なかなか早寝早起きができない私です。
就寝時刻の2時間前に夕食を済ませ、1時間前に入浴を済ませ、8時間眠る・・・。
逆算してチャレンジしてみます。
それには、まず朝散歩して体内時計を整えるところから頑張ります。
自分のことばっかり書いてしまいました。
書きながら、すぐ実践してみようという気持ちになる本だと思いました。
睡眠の質を高めたいと思っている人、健康のためにぜひ読んでみられると良いと思います。
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