『漫画バビロン大富豪の教え』を読みました。
漫画なので、一気に読めます。
原作は1926年アメリカで出版された『The Richest Man In Babylon(バビロンいちのお金持ち)です。
それから90年以上も経っているのに、今でも世界中で翻訳され読まれていることがすごいです。
しかも時代背景は、古代バビロニア王国、紀元前です。
そこで奴隷として借金に苦しむ貧乏な人たちのことが書かれているにもかかわらず、まさに現代の問題としても十分とらえられるのです。
それは、この本が目先のお金を得るためのテクニックではなく、お金に愛される知恵を身につけること・働くことの大切さ・人との付き合い方など、時代を超えて通用する真理が書かれているからなのです。
誰が読んでも参考になる本です。
では、紹介します。
主人公とそのメンター
古代バビロニア王国で、貧乏な武器職人の息子バンシルが主人公です。
そのバンシルが首都バビロンの大富豪アルカドに問いかけます。
「どうしてこの街には、お金持ちと貧乏な人がいるの?」
「どうしたら、俺たちはお金持ちになれるの?」
アルカドは、バンシルに教えます。
「お金持ちとは、お金をたくさん持っている人ではない。お金の増やし方を知っている者だ。」
そして、アルカドはお金の増やし方を、7つ教えました。
1 収入の10分の1を貯金する
アルカドは、バンシルに「今、君に金貨を与えても価値がない。それより重要なことは、明日の『銅貨』を手に入れる方法を知ることだ。」と教えます。
これから無人島で生きようとする奴隷に、その日の魚を分け与えても意味がない。
いくら魚を与えようが、食べ尽くせば餓死してしまう。
魚の釣り方を教えることだ。
銅貨の価値は、金貨に劣るけれども、その知識は、いずれ大きな資産になるということです。
でも、今すぐ金貨欲しい
これは、バンシルの言葉ではなく、別の人の呟きです。
今すぐ金貨を欲しがる人に、アルカドは
カゴの中に毎朝10個の卵を入れ、夕方そこから9個取り出すを繰り返すと、いずれカゴは卵で溢れかえると説明します。
わかっているのに目先の利益に目が眩む
収入の10分の1を貯金していけばお金が貯まるとわかっていても、目の前に金貨があったら、どうしても手が出てしまうのが人間なんですよね。
でも、卵の説明は本当にその通り。
収入の10分の1を最初から抜いて残りで生活することになるとただでさえ、足りないのに無理だという声もあります。
2 欲望に優先順位をつける
それに対し、アルカドは欲望に優先順位をつけなさいと言います。
優先順位の低い欲望は切り捨ててしまうのです。
そうすれば、一番やりたいことのためにお金を使うことができるのです。
生活水準は変わらない
収入の10分の1を貯金しても、優先順位の低い欲望を切り捨てたら、生活水準はほぼ変わらないようです。
ただ、現代は貯金だけをしてもお金が貯まりません。
定期預金の利率が5%くらいもあった昔とは違うからです。
3 貯えたお金を働かせる
ここで投資の話が出てきます。
投資については、よくわからないというだけで、怖いものと思いがちです。
失敗したら一文無しになる・・・。
そう心配して「やめたほうがいい」という親世代もいます。
でも、収入の10分の1を投資に回すという話です。
全財産を投げ打って勝負に出るなんてバカなことを勧めているわけではありません。
今、2020年は世界的なコロナの影響で株を買うことは難しい状況ですが、様子を見て、安い時に資金を投入して利益をえる投資家も出てくるのだと思います。
4 危険や天敵から金を堅守する
元金を守るのが基本中の基本です。
大きく儲けようと思って、有り金すべてを差し出すのは愚か者です。
儲け話に対しては、自分の感覚に頼らず、賢者の忠告を聞かなければならないとアルカドも忠告しています。
いつの時代も強気になって失敗する人はいるものなのです。
5 より良きところに住む
住居は、幸せな生活と密接に関わっており、その幸せは貯金を増やすモチベーションとなります。
住居への支払いは心を豊かにする投資と考えるべきとアルカドは教えています。
衣・食・住の中で、特に住居の重要性を説くのは、とても興味深い考え方です。
6 未来の生活に備える
保険の考え方です。
将来的に働けなくなって収入がなくなった時、突然病気やケガをすることもあるかもしれません。
その時のことを念頭に置いておけということです。
超高齢化社会の日本にとっては、老後の資金は最重要課題です。
7 自分のことを最大の資本とせよ
アルカドに「持つ者と持たざる者の境界を分かつ壁は、何か?」と尋ねられ、誰も答えられなかった時、バンシルが一歩踏み出して「動いた者とそうでない者」と答えました。
ここも重要なところで、理屈でわかっていても行動しなければ何も変わらないのです。
勇気が必要です。
さいごに
アルカドに金貨の袋と知恵が入っている袋を見せられ、「金と知恵、どちらか一方を手に入れ散れるとしたら、どちらを望む?」と試されたバンシル。
少し迷ったけど、「必要なのは知恵」と答えます。
金貨があれば目先の幸せは手に入るかもしれない。
けど、その先の安心までは買えない。
それを証明するために、2つの袋を与えられ、バンシルは旅に出ます。
金を2倍にして、戻って来いと言われるのです。
途中、試練の連続ですべてのお金を失い、最後に知恵の袋を開けて、大切な教えを思い出し、また苦労を重ねて見事に帰って来たのでした。
私を含め、多くの人は、お金を増やすという発想が欠けているようです。
使わないというのではなく、お金を働かせて増やすことがお金持ちへの道なのですね。
内容的にとても深い本ですが、漫画なのでとても理解しやすく助かりました。
あっと言う間に読めるので、お金について真剣に考えている人は、ぜひ読んだら良いと思います。
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