落合陽一さんの『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』を読みました。
人生100年時代が現実になる日が近づいてきています。
人生100年時代の到来
1980年時点で100才以上の高齢者が全国に968人しかいなかったのに、2018年9月時点で69,785人いるそうです。
38年間で70倍に増えたのです。
この勢いは止まらないと思います。
人生100年時代が確実に到来しそうです。
60才で定年、その後は夫婦でのんびり海外旅行でも・・・なんていうのは、もうすっかり過去の話でとんでもないです。
でも、少し前までは少なくとも教員はそういう幸せな老後を送れたんですよね。
最後に給与の半分を年金としてもらっていた時代です。
何も働かないのに死ぬまで月に25万円ももらえるなんて、頑張って教員を続けていこうと真剣に思っていました。
平均寿命が60才の時に60才定年制が提唱された頃のことをいつまでも前提にしているのは、全くもって無意味です。
60才以降、40年間も生きなければならないのです。
ぼんやりしていたら、社会からすっかり取り残されてしまいそうです。
IT化・テクノロジー進化の時代をリードする人は
どんどんIT化・テクノロジー進化が著しい時代になっていきます。
社会の変化のペースも素早く、ほとんどの人はついていけなくなることでしょう。
誰が時代をリードしていくか、というと落合陽一さんのような学び方をした人だと思います。
落合陽一さんは、幼少期から様々な習い事を自宅や近所で家庭教師や個別指導の形で行ってきたそうです。
月曜 ピアノと音楽(家族の知り合いのピアニストが自宅に来てくれる)
火曜 算数と理科(東大大学院生が自宅に来てくれる)
水曜 空手教室・体操教室など
木曜 実験教室など
金曜 絵画(隣に住んでいた画家に教わる)
土曜 公文式
子どもの時に専門性の高い人から、自分に合うようにカスタマイズされた教育を受けたわけです。
ここで、落合陽一さんって一体何者?と思い、調べてみると有名なジャーナリスト落合信彦さんでした。
スッと全てが納得できました。
学校の一斉授業および受験勉強の弊害を補う、その子本来の力を最大限に伸ばすための教育の場が提供されていたのですね。
IT化・テクノロジー進化の時代をリードしていくには、人と同じことをしない天才的な能力が必要なのだと思います。
これからの子どもたちへ
子どもの教育に対しては、小さい頃から本物に触れて良い経験をたくさんしていくのが大事です。
英語はいつから習えばいいか?については、英語を習うこと以前に母国語を正しく理解することの方が重要であると説いています。
本物という意味は、ただ英語を習わせることを目的とするレベルでなく、英語を使って何を表現したいのか、まできちんと教えるべきと警告しています。
60才の私はどうしたら良いのか
落合陽一さんは、高齢者のことまでは言及していませんでした。
読んでいて、高齢者は今後、全然ついていけない時代になるなぁと悲観的にならざるを得ません。
しかし、それは学ぶのをやめた場合です。
時代のスピードとテクノロジーの進化に少しでもついていくためにはと考えてみました。
そして唯一気づいたことは、もっとロジカル思考をしていかなければならないということです。
なんとなく、そんな気がする・・・という伝え方では、うまく伝わりません。
自分の言いたいことを論理的に整理して、相手がわかるように伝える。
パソコンが苦手、機械はどこを触っていいかわからないから使えない・・・そんな高齢者が増えそうです。
でも、本来、機械は人間が便利に生活できるように作られるわけです。
IT化が進むと機械の方が使う人に合わせてくれるようになります。
私は、Macを使うようになり、長い間慣れ親しんできたWindowsよりうんと私に合わせた文字変換をしてくれることに感激しています。
なぜ、もっと早く使い始めなかったのだろう?
それは、私の中のMacを使いこなす人はパソコンが得意な人という思いこみと私なんて使う資格がないという自己肯定感の低さです。
病弱養護学校に勤務していた時、自分の身体を自由に動かすことができない筋ジストロフィーの方が自分の思いを表現できるようにと様々なパソコン上で機能が開発されていったことを知っています。
指先しか動かせなくなった人にとって、iPhoneやスマホは最高の通信手段でした。
身体が動きづらくなっていく高齢者ほど、素晴らしい機器を使いこなしていけばいいのです。
さいごに
100才まで生きる時代になるのなら、100才までずっと快適に過ごしていきたいものです。
そのためには、子どもも大人も高齢者までもが、時代の進化に負けない学びを続けていくことが大事、そう教えてもらった刺激的な1冊でした。
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