今度生まれたらby内館牧子 人生、やりたいことは全部やろう

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人生、やりたいと思っていることは全部やってみた方がいい。

70歳になった主人公 夏江が、結局、本当はやってみたかった園芸の仕事をやり始めて、ようやく自分軸で生きられるようになる過程を見ていて、人間って諦めの悪いものだと痛感しました。

70歳の内館牧子さんが描く小説『今度生まれたら』は、読んでいてちょっと切なくなるくらい共感してしまう本でした。

主人公 夏江は打算的な女

1947年、昭和22年生まれの主人公 夏江は、団塊世代。小中学校は1クラス60人以上で、8〜9クラスあった時代。

私の一回り上だけど、私の時も45人学級だった。

今の繊細な親たち・子どもたちと違い、その頃は、みんな逞しかったように思う。

そして、しっかり自分の意見を持つ女は嫌われ、「どちらとも言えない」とするタイプが誰からも可愛がられた。

夏江は、表面的には上手に周りを忖度して、相手が喜ぶような態度をとり、腹の中では「ゲッ」と思いながらも微塵も見せないツワモノだった。

そして、成績優秀で周りから大学へ行くよう勧められたが、自分の意思で結婚に有利な短大へ進学したのだった。

そして、計画通り、一流会社で一流社員の夫(和幸)と結婚して優秀な息子2人を産み、育ててきた。

お酒が飲めない夫(和幸)が酒の席で失敗するまでは。

今度生まれたら、この人とは結婚しない

仕事を辞め、収入がなくなってからの夫がケチになって、いちいち否定的なことを言い、貧乏くさくなってくると「今度生まれたら、この人とは結婚しない」という気持ちになっていくのもしょうがないと思う。

人間の心は変化するものだから、状況が違うと気持ちも冷めてくる。

ましてや、息子2人はすでに自立しているとなると、自分の人生、これで良かったのかな?と迷い始めるのもしょうがない。

でも、それが70歳って遅すぎると(私は)思う。

逆に言えば、70歳まで迷いがなかったことが幸せだ。

幸せいっぱいだったはずの姉夫婦が離婚

仲が良くいつも幸せそうにしている姉夫婦が、ある日、突然離婚することに。

姉の旦那さんの浮気が原因。

同窓会で、昔好きだった人に出会ったから、なんて、困ったものだわ。

70歳超えているから「え〜っ」と引いてしまうけど、もっと若かったらいくらでもある話。

結局、若い時にやりたかったことをやる

周りの人たちに振り回されながらも、自分の人生について考えてみると、やっぱり自分がやりたかった園芸の仕事をやりたい気持ちに気がついた。

お金を稼ぐようなことはもうできないけど、老人ホームでボランティアで高齢者と一緒に花を育てる活動をする。

夏江にやっと生きがいが見つかった。

今までずっと自分の気持ちを隠して、上手に周りに合わせてきたけれど、これからは自分が本当にやりたいことをやれる。

子どもが小さい時、園芸のバイトの話があったのに、夫に相談したら子育てを優先すべきで母親が家にいないのは良くないと止められ、我慢したことがずっと引っかかっていたようだ。

親や先生に自分の才能を生かしなさいと言われていた時は、あやふやな才能より安定した結婚が大事と自分で決めたのに。

さいごに

この本を読んで、今の60代以上の人たちって、女は目立ってはいけないと自分たちも思っていたことを苦々しく思い出した。

活躍すると男性からも女性からも妬まれるのだ。

少なくとも陰で何か言われると思ってしまう。

だから、我慢した人が多いように思う。

恥ずかしい話だけど、私の104歳まで長生きした祖母(明治41年生まれ)は、少なくとも家にいた80歳くらいまでずっと「私は女学校へ行きたかった」と愚痴っていた。

勉強が好きな人だった。大正デモクラシーの頃に小学生だったため、英語も習ったと得意そうに言う。戦争の時代で小学校もろくに行っていない母は、いつも聞かされてしょぼんとしていた。

「女が学校へ行くと頭が高くなり、ろくなことはない。」と親に言われ、受験料の5円を出してもらえなかったと私も耳にタコができるくらい聞かされた。

その時、まだ子どもだった私は、こんなおばあさんになっても受験させてもらえなかったと親を恨んでいるのってかわいそうなことだなぁと呆れていた。

でも、やりたかったことを止められて、結局できなかったら、こんなふうに死ぬまで後悔が続く。

本当にやりたいことなら、親がなんと言おうと自分の力で切り開いて、なんとかすればいい。

まぁ、祖母のように明治や大正の時代ではなんとも言えないけれど、今はできない理由に「親の反対」や「旦那が許してくれない」なんて、古臭い。

とにかく自分の本当の気持ちを隠して、表面ばかり繕ってきた主人公 夏江が、やっと正直に自分のやりたいことをやり始めてホッとした。

年をとっても、やっぱり社会に役立てることが喜びなのだ。

内館さんの本は、こちらもおすすめです。

『すぐ死ぬんだから』by内館牧子 高齢者こそ生きがいが必要です

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この記事を書いた人

さわこ

金沢大学 日本史専攻 卒業。お城の中にあるキャンパスで加賀藩について学び、金沢をこよなく愛する。

スタジオSeriオーナーの目標は、「健康」と「ゆるいミニマリスト」

みんなが、心と身体をリフレッシュして、笑顔で元気になったらいいなと思って、いつもスタジオにお花を飾り、お掃除してます。「汚部屋脱出」のために、整理収納アドバイザー1級、生前整理アドバイザー1級、清掃マイスター1級を取得しました。いらないモノをすべて断捨離して、スッキリ暮らしたいです。ずっと頑張りすぎてきたから、これからの第2の人生は、楽しいことだけやっていきます!