母がサービス付き高齢者住宅に入居して1ヶ月半経ちました。
いろいろ話を聞いている中で、一人の人のことがよく話題にあがります。
母と同じくらいの年齢ですが、その方はかなり認知症が進んでいるようです。
私は直接会ったことはないので、実際の様子はわかりませんが、いつも今日何日か聞いてきて教えてあげてもまた何回も同じことを聞くと言っていますから、ちょっと大変そうです。
自慢話はあんまり聞きたくないかも
その方はかつてはとてもお勉強ができたようで、私たちの自宅がある町の駅まで歩いてそこから電車に乗って女学校へ通っていたということを何度も何度も言うそうです。
どうも母は、その話はもう聞き飽きたという感じなんじゃないかなと推測します。
私は、テキトーに聞き流していたのですが、フッと思うことがありました。
母は、昭和6年生まれ、10人兄弟の6番目か7番目の子どもで、小学校しか出ていません。
それもちょうど戦争の時なので、ろくに勉強もせず、工場へ働きに行かされていたようです。
そんな母が嫁に来た先の姑(私の祖母)は明治41年生まれで学生時代はちょうど大正デモクラシーの頃。
同じく小学校しか出ていないにもかかわらず、勉強が得意だった祖母は英語を習ったのがとても楽しかったそうです。
そして、女学校へ行きたいと親に頼んだけど、女が学校へ行かなくていいと言われ、たった5円のお金を出してもらえず試験を受けられなかったと80歳過ぎまで言い続けた人です。
もしかしたら、母にとっては、祖母に対し、自分が勉強できないことをずっとコンプレックスに感じていたのかもしれません。
だから、施設で聞く「女学校へ行っていた話」をその人の自慢話のように感じて耳障りなのかもしれないと思えてきました。
多分、母はそこまで深く考えていないと思いますが。
やっぱり、会社の話ばっかりする男性とかも嫌われますよね。
施設で働いている人から聞くと、偉そうに命令する人が一番嫌だということです。
年をとると自分でできないことをお世話してもらうのだから、気持ちよく助けてもらったらいいですよね。
家に帰りたいと言われてもね
そして、認知症の方はコロナの状況もよく理解できていないから、県外にいる息子さんや娘さんが全然会いにこないと言うようです。
こんな状況だから仕方ないのに、そんなこともわからず、家に帰りたい帰りたいってばかり言っているんだよと私に話します。
母は、状況を理解せず、家に帰りたいと言うことをわがままだと思って批判的に見ているのかもしれません。
きっと母の心の中に、自分も家に帰りたいという気持ちがあると思うのです。
でも、母は、自分が施設に入っていた方が家族が安心することを理解しているので、我慢しているんですよね。
それを我慢しないで、子どものように家に帰りたいと言ってしまう人を見て、「ダメだ」と思っているのだと思います。
これも私が勝手にそうじゃないかなと思っているだけですが。
とにかく施設や病院にいる祖母や父が家に帰りたいと言った時、家で面倒見れないからと帰さなかった母なので、母は私には「家に帰りたい」と言うことはないと思います。
さいごに
私は母を最後までちゃんとお世話していこうと思っています。
そのために私が母より長生きすることが大事。
母も私が元気でいてくれることを一番望んでいるはずです。
認知症にならずに、たとえある程度ボケが入ったとしても、最後まで周りを思いやる優しい気持ちを持ち続けられる人でいたいですね。
母は、今、学研が運営するサービス付き高齢者住宅ココファン藤江にお世話になっています。
高齢者の暮らしに興味がある方は、こちらから覗いてみてください。
→施設へ入ってから、血圧が上がったという母の通院記録【親の介護】
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